第69回全国珠算研究集会開催 ㏌岡山 part1
3月25日・26日の2日間、岡山市の岡山コンベンションセンターにおいて第69回全国珠算研究集会が開催されました。(主催 公益社団法人全国珠算教育連盟、後援 文部科学省他)北は北海道から南は沖縄まで全国各地より333名の仲間が集い、研鑽に励みました。
「晴れの国おかやま」に333名が参集
3月25日13時30分、岡久泰大副理事長の開会のことばに始まり、国歌斉唱・全珠連歌斉唱と続き、主催者を代表して工藤壽和理事長が挨拶を述べました。
続いて文部科学省初等中等教育局参事官(高等学校担当)付 産業教育振興室長・林正敏氏、岡山市長・大森雅夫氏よりご祝辞をいただきました。
そして来賓紹介と続き、開催担当支部・池上修生岡山県支部長より歓迎の挨拶がありました。
その後、澤田悦子研究論文審査会委員長より研究助成論文審査経過報告があり、京都府支部・木下和真氏へ研究奨励賞が授与されました。
今回の研究集会は2日間にわたり4講座が開かれ、日本全国から集まった333名の珠の同志が熱心に聴講し、研鑽に励みました。
翌26日は、午前11時45分より閉会式が行われ、前田珠樹研修学教委員長の挨拶の後、山戸克弘副理事長の閉会のことばをもって今年度の研究集会は成功裏に幕を閉じました。
第1講座
「学力テストで測れない非認知能力って大事!」
― そろばん教室で子どもたちに育むために ―
岡山大学教育推進機構 准教授 中山 芳一 氏
子供たちの健やかな成長にとって大切な“非認知能力”とは何か、また、それを伸ばすために大人ができることについてご講演いただきました。
スライドを使い小・中学生に実際に行った問題を示しながら、画一的な正解ではなく、自分や他者が納得できる解を見出します。
そんな納得解を見出し続けるためには、「頭のよさ」(かしこい頭+たくましい頭)が大事です。
がまん系・やる気系・つながり系とはどういう力なのかということが非認知能力であるとのことです。
1.非認知能力ってどんな力?
認知能力があるから非認知能力があります。
認知能力とは見える学力(点数にできる力)です。
非認知能力とは、客観的な点数にできない力です。
例えば、忍耐力・自制心・回復力などがあります。日本でも大切にされてきた力「心」「気持ちの気」も非認知能力です。
2.なぜ、いま非認知能力なのか?
目に見える能力だけを高めるのではなく、目に見えにくい能力も高めていかなければいけないです。
見えないところだからしっかり育てていくことが大事です。
自分と向き合う力・自分を高める力・他者とつながる力の3つのグループに分けられるが、それぞれにプラスの面とマイナスの面とがあります。
伸ばせばいいだけではなく、伸ばしながらも使いこなせることが大事です。
3.わが国の教育ではどうなっている?
新しく学習指導要領が変わり、それに伴い大学入試も変わり始めているとスライドを示しながらわかりやすくお話しいただきました。
学校推薦型選抜と一般選抜の他に総合型選抜が増えました。そして、私立高校を中心に入試問題も変わり始めてきています。
4.非認知能力を伸ばすためには?
教諭とは、人格形成を助けるという営みです。
その人格とは、気質(個人の特徴)・性格(性質)・人格(人間性)があります。
人格形成をしていくときに必要になるのが、非認知能力を引き出すことです。子どもたちに、押し付けるのではなく引き出してあげるのに必要な力を意識して行動を習慣化(よい習慣と悪い習慣の自覚化)する意識づけが重要になります。
5.そろばん教室だからこそできることは?
意識のスイッチオン!から振り返ることが必要不可欠です。
①どの非認知能力を意識するか最初に選ぶ
②意識しながらそろばんに取り組む
③どれくらい意識できたかを振り返る
④どうしてそうだったかをさらに振り返る
最後に、人としての非認知能力を育てるということをクローズアップして、一緒に育てていく中で最高の環境を作ってほしい、と締めくくり盛大な拍手の中終了しました。